コラム

(22)会陰ヘルニア②

前回、会陰ヘルニアのコラムを書きましたが、今回はその第二弾です。

会陰ヘルニアを簡単にいうと、お尻の周りの筋肉が破れて、お腹の中にある臓器(腸、膀胱、前立腺、脂肪など)がお尻の周りから出てしまう病気です。

突然、便が出にくくなって、お尻の周りが腫れれきたらこの病気が疑われます。

治療は外科手術により、出てき臓器を戻して、破れた筋肉を縫合して再脱出しないように閉鎖します。

破れた筋肉を閉鎖する方法はいくつかあります。主な方法は、生体膜を使用する方法と人工膜を使用する方法です。

当院では以前、生体膜(内閉鎖筋、総鞘膜など)を利用して閉鎖していましたが、長期的な予後が悪いため、現在は人工膜を利用して閉鎖しております。

このようなメッシュ素材の人工膜を使います。(この一枚で○万円です。とても高価です。)

今回は、左右の会陰ヘルニアを起こした、未去勢のM・ダックスフンドの症例を紹介します。突然、便をしぶりだして、下痢になり、食欲がなくなったそうです。

レントゲン検査です。膀胱と尿道を造影剤して位置を確認します。赤丸がヘルニア部分です。

手術により左右の会陰ヘルニアをメッシュで閉鎖して、最後に去勢手術を行いました。

手術は無事終了しました。