内視鏡コラム

(11)内視鏡とX線透視による異物摘出

庭に落ちている色々な物を拾い食いしてしまうワンちゃんが来院しました。飼い主さんの話では釘を食べたかもしれないとのことでした。

X線検査では確かに釘を食べていましたが、問題は釘以外にも小さい石ころの影も映っているこです。飼い主さんはなるべく開腹手術は避けたいとのことでした。

飼い主さんの希望通り内視鏡で釘の摘出を試みました。しかし内視鏡で見てみると、木の枝や葉や砂利でいっぱいでした。

やみくもに探しても時間がかかるので、X線透視を使用しました。

X線透視は釘をくっきり映し、木の枝や葉は映り難いので、X線透視で確認しながら、釘の直前まで内視鏡の先端を移動して、内視鏡鉗子で直前の釘らしきものを掴み、掴んだ物が釘なのか木の枝なのか確認する作業を何回か繰り返しました。 (今回の釘は錆びて木の枝と同系色だった為、何度も間違えました。)

ようやく釘を掴み取り、体外に摘出しました。